これまでの展覧会の紹介

チェコの現代糸あやつり人形とアート・トイ
春日明夫コレクション
佐久間奏多、林 由未、ミロスラフ・トレイトナル、バーラ・フベナー
Czech-born Contemporary Puppets and Art Toys from KASUGA Akio Collection:
SAKUMA Sota, HAYASHI Yumi, Miroslav Trejtnar, and Bara Hubena

2019/02/08(金)〜2019/03/24(日) 終了しました
開館時間 : 10:00〜19:00 入館は18:30まで
休館日 : 月曜日(ただし、祝日の場合は開館し、翌火曜日が休館)
ミロスラフ・トレイトナル「自転車に乗る2人のピエロ」

開催概要

八王子市夢美術館では特別展「チェコの現代糸あやつり人形とアート・トイ 春日明夫コレクション 佐久間奏多、林 由未、ミロスラフ・トレイトナル、バーラ・フベナー」を開催します。

チェコと人形との関係は深いものがあり、例えば「人形劇は文化の命綱」とまでいわれるほどです。チェコは、16世紀から第一次世界大戦までの間、オーストリアのハプスブルク家に支配された歴史があり、プラハなどの都市部では、ゲルマン化のためにチェコ語からドイツ語を使うように強制されました。しかし、人形劇は民衆の為の娯楽、風俗的なものであったために、危険視されなかったことがチェコ語の禁止を免れ、チェコ語を守るために人形劇が意欲的に上演されたと伝えられています。つまり、チェコの人々にとって人形劇やその人形は単なる人形玩具というだけではなく、チェコの伝統文化そのものといえるのです。チェコには、世界初の人形を専門に学べる国立大学機関があり、各都市には人形劇専門の劇場があります。現在のチェコにおいても、祭礼や地域のイベントでは盛んに人形劇が上演され、人形づくりのワークショップもたびたび開かれるなど、伝統的な人形劇を国の文化として継承しています。さらに、人形劇とは別にアートとしての人形を使った表現もチェコならではの展開として見逃せません。

本展では、そうしたチェコの現在の人形文化の一部を、世界の玩具や遊具の研究者である春日明夫氏のコレクションから糸あやつり人形やアート・トイなどの作品を中心に4名の作家を取り上げて紹介するものです。チェコ在住の佐久間奏多は魅力的な糸あやつり人形やハンドパペットの制作など人形作家の分野の世界で活躍し、日本を中心に世界中にコレクターが存在します。同じくチェコ在住の林 由未は人形劇の舞台美術家として活動するかたわら、人形劇用の人形も自身で制作し、チェコの国内外で注目されています。また、どこか暖かみのある造形を感じさせるチェコ人のバーラ・フベナーは糸あやつり人形をはじめ舞台や人形を中心とした造形作家として活躍し、チェコ人のミロスラフ・トレイトナルはそれらの表現に加え、色彩も豊かでユニークな形を持つアート・トイと呼ばれる作品を手掛けている点で特に異彩を放っているといえるでしょう。

展示では、それら4人の作家を中心にコレクション以外の参考作品も一部交えながら約100点以上の作品で紹介します。本展を通じて、現代チェコの人形文化の一端をお楽しみいただければ幸いです。

展覧会作品


「チェコの現代糸あやつり人形とアート・トイ」ギャラリートーク
    (計3回、申込不要)

ギャラリートークA
本展監修者の春日明夫氏とパペットハウス店主の深沢拓朗氏を迎え、会場内を巡りながら実際に作品も動かしつつ、展示作品についてお話しいただきます。
日時:2019年2月16日(土) 午後3時〜午後4時

ギャラリートークB
本展監修者の春日明夫氏を迎え、会場内を巡りながら展示作品についてお話しいただきます。
日時:2019年2月17日(日)、3月3日(日) 午後3時〜午後4時

詳細はこちらの「イベント」ページからご覧いただけます。

展覧会データ

特別展
チェコの現代糸あやつり人形とアート・トイ  春日明夫コレクション

佐久間奏多、林 由未、ミロスラフ・トレイトナル、バーラ・フベナー

会期

2019/02/08(金)〜2019/03/24(日)

開館時間

10:00〜19:00
入館は18:30まで

休館日

月曜日
(ただし、祝日の場合は開館し、翌火曜日が休館)

会場

八王子市夢美術館

観覧料

一般:600円
学生(小学生以上)・65歳以上:300円
15名以上は団体割引料金(2割引)
未就学児無料 土曜日は小・中学生無料

主催

監修

春日明夫(芸術学博士、東京造形大学造形学部・大学院教授)

企画協力

株式会社モーレン

協力

佐久間奏多、林 由未、パペットハウス、井桁裕子

展示内容

現在チェコを中心に活躍する糸あやつり人形作家の佐久間奏多、糸あやつり人形をはじめ舞台や人形を中心とした造形作家の林 由未とバーラ・フベナー、それらに加えアート・トイも手掛けるミロスラフ・トレイトナルの作品を主に春日明夫コレクションから紹介します。

プロフィール

佐久間 奏多(さくま そうた)

1977年愛知県生まれ。
2000年、東京造形大学デザイン学科Ⅱ類(染織デザイン専攻)を卒業。在学中にチェコの劇人形に出会い、衝撃を受ける。2000年秋、渡チェコ。2002年、チェコ国立芸術アカデミー人形劇学部舞台美術科大学院に入学し、ペトル・マターセク教授に師事。その後、手のひらサイズのナ・ドラニのマリオネット制作を開始。2009年パペットハウスにて初個展。チェコ、日本でのグループ展にも多数参加。現在、ナ・ドラニのシリーズのマリオネットは、500点を超え、日本に留まらず、世界中にファンがいる。プラハ在住。

林 由未(はやし ゆみ)

1979年横浜市生まれ。
2002年、東京造形大学デザイン学科視覚伝達専攻を卒業。2004年、東京藝術大学大学院デザイン科修了。2007年、チェコ国立芸術アカデミー人形劇学部舞台美術科大学院に入学、ペトル・マターセク教授に師事。2008年、チェコにてポーラ美術振興財団在外研修員として研修。2012年、文化庁の芸術家在外研修員として、劇団ドラックなどチェコの演劇現場にて研修。近年の主な活動は、「Mysterious Lake」(アメリカ)、「長靴下のピッピ」(ポーランド)など、チェコ、日本に留まらず世界の劇場に活躍の場を広げている。プラハ在住。

ミロスラフ・トレイトナル
Miroslav Trejtnar

1962年チェコ共和国生まれ。
チェコ国立芸術アカデミー人形劇学部を卒業。同校卒業後にトラディショナル・パペット製作の講座を担当。現在はフリーの劇人形・舞台美術家、木工アート・トイ作家として活躍中。アメリカ、ドイツ、フランス、ベルギーなど海外での仕事も多く、第2回プラハ国際玩具フェア「子どもの夢1995」では、木工玩具部門で最優秀賞に輝いた。1994年夏、銀座松屋にて個展を開催。日本では、春日明夫コレクションが充実している。

バーラ・フベナー
Bara Hubena

1971年チェコ共和国生まれ。
1989年、プラハ工芸大学付属高校玩具学科を卒業。1995年、チェコ国立芸術アカデミー人形劇学部を卒業。1993年〜2001年、プラハのデイヴィツケー劇場で舞台美術を担当する。現在、フリーランスの人形作家、舞台美術家、コスチュームデザイナー、グラフィックデザイナーとして活躍し、特にマリオネットやハンドパペットは人気がある。日本では、春日明夫が代表的なコレクターである。

八王子市夢美術館 〒192-0071
東京都八王子市八日町8-1ビュータワー八王子2F
TEL 042-621-6777  FAX 042-621-6776
開館時間 10:00〜19:00(入館は18:30まで)

※開館時間は変更になることがあります。

休館日 月曜日(ただし祝休日の場合は開館し、翌火曜日が休館)
および年末・年始(12/29〜1/3)、展示替期間。

※休館日は変更になることがあります。